島に上がり、一本しかない道を北へ向かう。道の両側には、高床の木造家屋が疎らに並ぶ。その一階の軒下あたりが織り場になっていることが多い。見学者がそれほど多いわけではないが、村人たちは私のような闖入者を快く迎えてくれる。ここで折られているのは、コットンのクロマーと呼ばれるまき布。何色もの糸をセットするのは大変だが、織り始めると早い。最近はモーター付きの織り機をいれた人もいる。