アンコールは石造建築の文明と言われるが、ローマや中国では一般的だった「アーチ構造」がアンコールには見られない。 アーチ構造とは石を円弧のように積んで、長いスパンを飛ばす技術で、ヨーロッパではローマ時代から水道橋などに使われた。アンコールではアーチの代わりに 「せり出し工法」といって、石のブロックを少しずつずらしながら積み重ねていく工法がとられた。そのためにスパン(隙間)は極端に狭い。