ファユームは、今に至るまでエジプトの穀倉地として知られる。カルン湖とナイル川が自由水面で繋がったのは過 去のことだが、今は逆に水面の下がったカルン湖に向かってナイルの水を引き、湖岸の斜面地が灌漑されている。ファユーム周辺の灌漑農業は、おそらく紀元前 後のプトレマイオス朝(ギリシャ人の王朝)に拡大・確立されたものだ。ファユームはその灌漑水路がちょうど分岐して畑に入る扇の要のような位置にある。